微分型モビリティアナライザー,DMA
differential mobility analyzer
帯電粒子の電気移動度(モビリティ)の違いを利用して,粒子径が約 0.001 〜 0.5 µm の範囲で,非常に粒子径の揃った粒子が分級される微分型の静電分級器のことで,一般的に DMA と呼ばれる。図に示すように,二重円筒構造の電極となっており,両円筒にはさまれた環状空間には直流電界が形成されている。上部の外筒壁より流入した帯電粒子は,内側の清浄空気とともに,環状部内を流下しながら電界により内筒方向へ清浄空気の層を横切って移動し,内筒に達する。これらの粒子のうち,内筒の下端に取り付けられたスリットに到達した粒子だけが分級されて取り出される。電界中でのクーロン力による移動速度は,電気移動度に電界強度を乗じたもので,たとえば電界強度が高くなると,電気移動度の小さい粒子が分級される。電界強度を印加電圧を変えることで変化させると,電気移動度分布が求まり,データ処理を加えることで粒子径分布が求まる。DMA は粒子径分布の測定だけでなく,粒子径の揃った単分散粒子の調製法としても非常に有用である。
【広告】