ピペット法
pipette method
粒子径分布測定法である液相沈降法の一つで,増分形均一分散沈降法に分類される。試料粉体が分散した溶液中に挿入固定されたピペットで,適当な時間間隔で一定深さから一定量の液を吸い出し,その粒子濃度の時間変化を求める。吸い出した時間と深さから,ストークスの式などの沈降速度式で計算した粒子径と,その時間における粒子濃度の関係から試料の質量基準粒子径積算分布が得られる。
JIS Z 8821「ピペット法による粉体の粒子径分布測定法」ではアンドレアゼンピペットの使用が定められている†1。ケーンピペットはピペットの挿入深さを変えられる改良型で,粒子径分布の広い試料に適した装置である。このほかいくつかの改良型がある。装置の温度管理や吸引時の液の乱れに注意すれば,沈降法の中でも最も厳密な測定法とされるが,測定時間と手間がかかるため,今日ではあまり使用されていない。
→ 沈降法
【注†】
- JIS Z 8821「ピペット法による粉体の粒子径分布測定法」は1999 年に廃止され,その内容は,JIS Z 8820-2:2004「液相重力沈降法による粒子径分布測定方法 — 第2部:ピペット法」に統合された。
【参考文献】
- JIS Z 8820-2:2004 液相重力沈降法による粒子径分布測定方法 — 第2部:ピペット法
- JIS については日本産業標準調査会(JISC)の「JIS検索」も参照(要ユーザー登録)
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