ヒュッケルの理論式
Hückel's equation
粒子径が粒子表面の電気二重層の厚さに比べて十分に小さい場合,すなわち $a \lt (1/\kappa)$($(1/\kappa)$ は電気二重層の厚さ,$a$ は粒子半径)の場合における液中の球形粒子の泳動速度とゼータ電位の関係を表わす理論式である。泳動速度 $v$ は,粒子の存在による外部電場の乱れ並びに拡散電気二重層の存在の影響を考慮せず,電荷 $Q$ の粒子が電場 $E$ 中で受ける力 $Q_{\mathrm{E}}$ が粒子の流体抗力 $6\pi \mu a v$ ($\mu$ は媒体粘度)に等しいとし,$Q$ は粒子電荷が周りのイオン電荷との釣り合いから $4 \pi \varepsilon a \zeta$ であることを用いると,次式で与えられる。
$$
v = \frac{2 \varepsilon \zeta E}{3\mu}
$$
ここで,$\varepsilon$ は媒体の誘電率,$\zeta$ はゼータ電位である。
→
電気泳動,電気二重層,ゼータ電位,スモルコフスキーの理論式(ゼータ電位),ヘンリー関数
【広告】