表面蒸発期間
surface evaporation period
湿り材料の乾燥初期において材料の表面でのみ蒸発が起こっている期間をいう。このときの乾燥速度 $N$ は次式で与えられる。
$$
N = k_{\mathrm{g}} \left( p_{\mathrm{s}}-p_{\mathrm{a}} \right)
$$
ここで,$p_{\mathrm{s}}$ は表面における水蒸気分圧,$p_{\mathrm{a}}$ は気流中の水蒸気分圧,$k_{\mathrm{g}}$ はガス側物質移動係数である。非吸着性多孔体においては,含水率が低下しても $p_{\mathrm{s}}$ は飽和水蒸気圧にほぼ等しく,また乾燥の進行とともに表面での水面の割合(濡れ面積比)が減少しても,見掛けの物質移動係数 $k_{\mathrm{g}}$ の低下は小さい。材料表面温度が一定ならば,このときの $N$ は一定とみなせ,これが定率乾燥期間に相当すると考えられる。吸着性多孔体や高分子溶液においては,含水率の低下とともに $p_{\mathrm{s}}$ も低下するので,表面蒸発期間であっても減率乾燥期間となる。また,表面蒸発期間から内部蒸発期間へ移行すると,一般の減率乾燥期間となる。
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乾燥特性,蒸発面後退モデル,内部蒸発圏モデル
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