フィルター
filter
充塡層やろ材(濾材)中を通過させることにより,液体または気体中に懸濁する粒子を,分離する装置の総称。粒子をフィルター表面に捕集する形式と,ろ材内で分離する形式がある。
表面で捕集する形式では,バグフィルターが代表的である。バグフィルターはろ材に,織布や不織布を円筒状あるいはポケット状に縫製したものを,処理ガス量に応じて多数個並列に設置して用いる。ろ材表面に捕集粉塵が付着堆積するので,粉塵に対するろ材およびろ過速度の選定が適切であれば集塵率はほぼ 100 % 近くに保つことができる。しかし一方,ろ過の進行にともなって堆積粉塵量が増え,フィルターの圧力損失が増加するので,粉塵層を適宜払い落とす操作が必要となる。高温ガスの処理にはセラミックをろ材としたフィルターがある。
内部で捕集する形式では,充塡層フィルターが代表的である。充塡物の種類により,粒子充塡層と繊維充塡層に大別される。粒子充塡層は主として液体ろ過に使用され,充塡物として砂がよく利用される。空隙率が低い(50 % 以下)ために,充塡物の大きさをあまり細かくすると圧力損失が大きくなり,通常 100 μm 以上の充塡粒子が用いられる。また,充塡粒子として,セラミックを用いれば高温にも耐性があるので,高温ガスの処理用として移動層あるいは流動層フィルターとして適用できる。これに対して,空気ろ過には空隙率の高い繊維充塡層が広く用いられている。
→ バグフィルター,繊維層フィルター,内部ろ過(内部濾過),表面ろ過(表面濾過)
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