粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

浮選法

flotation

 浮遊選別とも呼ばれ浮上分離法の一つで,最も重要な選鉱法。浮選法は固体粒子の界面化学的性質の差異を利用した選別法で,比重選別が困難な微粒子の相互分離に用いられる。歴史的には多油浮選法からはじまった。多油浮選法は,油層中に粉砕した鉱石を分散したあと,水を混合すると,疎水性の鉱物は油層中に残留し,他方,親水性の脈石は水層に沈下することを利用して選別する。その後,鉱物粒子表面を油の皮膜で被覆し気泡に付着させて浮上分離する皮膜浮選法を経て,現在の泡沫浮選法に発展した。現在は泡沫浮選法が一般に使用され,他の方法は使用されていない。浮選では,鉱物粒子の気泡への付着性が重要な因子であり,鉱物を浮遊させるための捕集剤,安定な泡沫層を形成するための起泡剤,親水性を制御する抑制剤など,浮選剤を添加して効率的な選別を行う。

→ 浮選剤泡沫浮選法皮膜浮選法

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/5

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