付着・凝集性
adhesive-agglomerative property
付着・凝集性は,一般に乾式粉体粒子に対して使われ,付着性は付着力により粉体粒子が器壁などにつこうとする性質で,凝集性は粒子同士が付着し凝集体をつくろうとする性質である。粒子の付着性は,接触点に作用する付着力と粒子に働く体積力(自重)の関係で決まる。自重は粒子径の 3 乗に比例して小さくなるが,付着力は粒子径の 3 乗以下の次数で小さくなるため,粒子が小さくなるほど相対的に付着力は増大し,付着性は増すことになる。さらに,粒子が小さくなると粉体中の粒子接触点数が増えるため,粗粉体よりも微粉体のほうが強い凝集性をもつことになる。接触点における付着力は,雰囲気や表面の状態(粗さや吸着物質など),履歴,時間効果などの影響を強く受けるため,付着・凝集性の強い粉体の取り扱いや管理は難しくなる。付着・凝集性の評価は目的に応じて,粉体層の引張強さ,安息角,充塡密度,タッピング密度,流動性,分散性など様々な方法によって行われる。
湿式の粉体の場合は,媒液の誘電率,溶存イオンの濃度と価数,ポリマーの吸着状態などによって決まる,粒子間の引力・反発力によって付着・凝集性は支配される。
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