分級の用語で，全回収率の対語。全回収率との区別が自明である場合には単に回収率ということもある。分級前の原料に含まれている特定のフラクション（たとえばある粒子径の粒子）に着目して，一方の産物（たとえば粗粒産物）として回収される割合をいう。部分回収率のグラフをトロンプ曲線という。分級は粒子を選別して複数の産物に分ける操作であるから，粒子の特性値，たとえば粒子径によって部分回収率に顕著な差があることが必要である。粒子径分級（粒度分級）では，ある粒子径を境界にした二つの領域で部分回収率がそれぞれ 0 と 1 であることが理想であり，部分回収率が高ければよいというものではない。部分分級効率ということがあるが，効率という言葉は誤解されやすくまぎらわしい表現である。

→　回収率， 全回収率， トロンプ曲線， 理想分級