ブラウン凝集定数
Brownian coagulation coefficient
粒子径 $D_{\mathrm{p}i}$,$D_{\mathrm{p}j}$ の二粒子がブラウン運動により凝集するとき,単位体積・単位時間当たりの衝突数 $N$ は次式のように与えられる。
$$
N = K_{\mathrm{B}}(D_{\mathrm{p}i},D_{\mathrm{p}j})n_{i}n_{j}
$$
ここで,$n_{i}$ および $n_{j}$ は粒子径が $D_{\mathrm{p}i}$ および $D_{\mathrm{p}j}$ の粒子の個数濃度で,$K_{\mathrm{B}}(D_{\mathrm{p}i},D_{\mathrm{p}j})$ はブラウン凝集による衝突頻度を表わし,ブラウン凝集定数と呼ばれる。
球形粒子のブラウン凝集定数は,拡散理論および分子運動論より求められ,粒子の $Kn$ 数,
$$Kn = \frac{2\lambda}{D_{\mathrm{p}}}$$
の値により異なるが($\lambda$ は媒体分子の平均自由行程),全 $Kn$ 数範囲において,フックスの式で求められる。ブラウン凝集定数は,粒子径が 0.01〜0.1 µm で最大となり,また粒子の密度が大きいと減少する。
しかし,ブラウン運動している粒子間に,静電気力や London-van der Waals 力(ファンデルワールス力)などの相互作用力が作用すると,ブラウン凝集定数を補正する必要がある。$Kn$ 数が約 0.25 以下の球形二粒子(粒子径 $D_{\mathrm{p}i}$,$D_{\mathrm{p}j}$)の衝突において,粒子間距離 $r$ で相互作用力 $F(r)$ が作用しているとき,ブラウン凝集定数は,フックスの式に次式の $\beta_{\mathrm{E}}$ を乗じなければならない。
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