フラクタル次元
fractal dimension
点は0次元,線は1次元,面は2次元,立体は3次元という,一般に知られている整数値の次元を実数値に拡張したものを,フラクタル次元と呼ぶ。次元 $D$ と単位長さ $r$,その長さを基準とした図形の数 $n$ との間には次式が成立するので,両者を両対数プロットして得られる直線の傾きに -1 を掛けたものから,フラクタル次元を求めることができる。
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n \propto r^{-D}
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たとえば,黒白2値化した画像を,一辺が $r$ の正方形でおおい,黒い画素を含む正方形の数 $n$ を求める操作を $r$ を変えて繰り返し,$r$ と $n$ とを両対数プロットして,得られる直線の傾きに -1 を掛ければ,その画像のフラクタル次元を求めることができる。また,粒子投影像の輪郭線については,輪郭線を長さ $r$ で折れ線近似し,一周するのに要する折れ線の本数 $n$ を求め,同様にしてフラクタル次元を求めるディバイダ―法もある。
これらの方法により求めたフラクタル次元を使って,粒子表面の凹凸状態や粉体層の混合状態,粒子凝集体の構造,粒子充塡状態などの定量化が試みられている。
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