粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

プラグ輸送

plug conveying

 粒子の破砕や管の摩耗,所要動力の軽減を目的として採用される粉体の低速空気輸送の一つで,粒子は管内をプラグ状(栓状)になって管をふさぎながら輸送される。輸送空気速度は粒子の浮遊速度以下である。水平管で管底に堆積層をともなう場合や垂直管で浮遊粒子群中を移動する場合は区別してスラグ輸送とも呼ばれるが,プラグ輸送といわれるものの多くはこの形式である。理想的なプラグ輸送でプラグを構成する粒子は常に同じであるが,スラグ輸送で管内に停滞留している粒子がスラグ(プラグ)の通過ごとに一定距離だけ下流にドリフトされながら輸送される。スラグ輸送は透過係数が大きい粒子に,また理想的なプラグ輸送は粒子間のからみ合いが強いものや粉末の非常に低速の輸送でみられる。スラグ輸送では粒子間に相対運動があり,ある程度粒子の摩耗はさけられない。プラグによる圧力降下は大きいので空気源には容積型の送風機が使用される。分離器は低速のため粗大粒子では重力沈降式で対応できる。この輸送様式を人為的につくり出し,維持する様々のシステムが開発されているが,普通のブロータンク輸送機やロータリーフィーダーを使ったシステムでもこの輸送を行うことができる。

→ ブロータンク柱状輸送輸送管内流動様式

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021//

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