フレンケルの吸着理論
Frenkel's adsorption theory
平滑な固体表面上に厚さ $D$ の吸着層が存在するとき,吸着質分子は固体表面と吸着層中の分子からファンデルワールス力を受けて吸着する理論をいう。ファンデルワールスポテンシャルエネルギーは距離の 6 乗に反比例するので,固体表面上の厚さ $D$ の液膜上の吸着分子が受ける全吸着ポテンシャルは $D^{-3}$ に比例する。また圧力 $P_{0}$ と平衡にある 1 mol の液体を圧力 $P$ と平衡にある液膜上に移すのに必要な仕事量は $RT\ln (P/P_{0})$ で表わされる。一方 $D^{-3}$ は吸着量 $V^{-3}$ に置き換えられるので,フレンケルの吸着等温式は次式で表わされる。 $$ \ln \frac{P}{P_{0}} = -\frac{A}{V^{3}} $$ ここで,$A$ は距離や密度,特定距離におけるポテンシャルエネルギーなどで示される定数である。
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