粉砕仕事
comminution energy
目的とする大きさの粒子(粉体)を得るために,粉砕に使われた仕事量。粉砕の目的を大別すると,固体原料を小さくし粉体を製造することと,表面積を大きくすることになる。このため古くから粉砕仕事量と粉砕前後の粒子径(代表粒子径)変化を結びつけたリッティンガー,キックの法則があり,この二つの中間の考え方にボンドの粉砕理論がある。また,砕料全体で粉砕の進行を評価する場合,増加比表面積と粉砕仕事量との関係が種々検討,提案されている。リッティンガーの法則もこの一部である。粉砕機内ではいろいろな大きさの粒子が同時に粉砕されるため,粒子径分布の変化と粉砕仕事量の関係がこれまで提案されている粒子径分布式を用いて表わされている。さらに,粉砕は個々の粒子の破壊の集積と考えることができ,粉砕仕事量の予測のために,単一粒子の破壊に要するエネルギーがいろいろな条件で実験,検討されている。一方,現実には任意粒子径以下の粉体を製品とする場合が多く,この場合は単位質量の製品を製造するのに必要な仕事量を使ったほうが都合がよい。これは 80 % 通過粒子径を代表粒子径として粉砕仕事量を定義したボンドの粉砕理論に類似している。
→ 粉砕仕事法則,
破壊エネルギー
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