粉砕理論
theory of comminution
単位操作としての粉砕に関する理論。大きく分ければ,物質に関する理論,粉砕操作に関する理論,プロセスに関する理論の三種に分類される。
物質に関する理論には,一個の粒子の破壊のメカニズムに関する材料学的研究がある。物質の強度,一個の粒子の破壊エネルギーの材料物性からの評価,粉砕に投入したエネルギー収支を物理化学的な解析と結びつけていくメカノケミストリーの理論や最近のメカニカルアロイングに代表される粒子の複合化や表面改質などの研究が相当する。
粉砕操作に関する理論は多岐にわたるが,その主要なものは粉砕のエネルギー消費に関する理論としての粉砕仕事法則がある。これらの関係式は破壊のメカニズムを使い種々な形で理論的導出が試みられている。もうひとつの主要な理論が粒子径分布に関するもので,これまでの経験式に対し破壊機構や確率論的考察から粒子径分布の理論的導出がある。
粉砕プロセスに関する理論としては粉砕機内の砕料,媒体の動きに関するもの,粉砕と分級,乾燥などの他の単位操作と組み合わせたプロセスの開発,また各プロセスのシミュレーションとの比較,検討がある。
【広告】