分散機構
dispersion mechanism
気相中の凝集粒子の分散には,媒体の加速場や流れ場,障害物への衝突が利用され,液相中の分散では,そのほかに超音波が利用される。加速場における分散では,凝集体の構成部位のサイズの違いにより流体抗力が違うため分散される。凝集体を二個の粒子からなる凝集体にモデル化することにより,分散に必要な粒子間力を推定する方法が提案されている。定常せん断流れ場(剪断流れ場)や伸張流れ場でも,凝集粒子は部位によって異なる流体抗力とトルクを受け,変形し分散される。二粒子凝集体に対しては流体力学的解析により正確な分散条件が計算され,巨大凝集粒子に対しては分散過程のコンピュータシミュレーションが行われている。これらの媒体流動による分散は分裂分散であることが知られている。障害物への衝突による分散では,衝突時に凝集体内部に生じる応力が凝集体の強度を上回る場合に分散する。衝突効率から分散効果を予想する方法が提案されている。超音波による分散機構としては,粗密波から生じるキャビテーション,音波による凝集体の振動,不均一照射による媒体流動などが考えられるが,詳細は不明である。
→ 流体抗力,
せん断速度(剪断速度),
分裂分散,
衝突分散,
超音波分散
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