粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粉体圧

powder pressure

 貯槽内の粉体のように,堆積した粉体の自重によって生ずる圧力や,外力によって粉体層および粉体層の接する固体壁面に発生する応力を一般に「粉体圧」と称して粉体応力と同義語であり,単位面積当たりの力で表わしている。
 A.W.Jenike(ジェニケ)らは,貯槽内の粉体圧について,次の三つの荷重状態に分けて示している。

  1. initial loading:粉体を静かに投入し,静置した状態
  2. flow loading:排出時の流動パターンが形成された状態
  3. switch loading:initial から flow へと転換するときの状態
 図の(a)では,粉体が投入され,堆積した粉体が,水平方向への変位なしに堆積する粉体重量によって垂直方向に圧縮される。したがって最大主応力線が垂直方向に閉じた主動圧力状態にある。そのときの貯槽壁面への粉体圧の分布状態は,図の右側に示すようになる。垂直壁部の粉体圧の分布はヤンセンの式にて算定される静置時圧力になる。
 図の(b)では,排出が開始され完全に流動パターンが形成された状態を示しており,粉体層内では受動圧力状態となり,最大主応力線はアーチ状となる。
 図の(c)では,排出開始から完全な流動パターンが形成されるまで,受動圧力状態へと転換する部分で大きな集中過圧力が生ずる。
 以上がジェニケらの貯槽内粉体圧の考え方の概要である。

→ ヤンセンの式


粉体圧—ジェニケらの荷重状態
粉体圧—ジェニケらの荷重状態
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/18

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