粉体シミュレーション法には，粉体材料や粒子の設計に用いられる化学シミュレーション（分子軌道法，分子力学法，分子動力学法，モンテカルロ法など）と，粉体挙動のシミュレーションに用いられる力学シミュレーション（差分法，有限要素法，粒子要素法など）が含まれる。粉体系の力学シミュレーションは，分子動力学法と同じく 1950 年代にすでにその試みがあるが，コンピュータの演算速度などの不足から大きな進展がなかった。1980 ～ 1990 年代におけるコンピュータの飛躍的な発達に支えられて粒子要素法が登場してから，粉体系の力学シミュレーションが非常に盛んになり，粉体材料とその生産システムの設計に大きな貢献が期待されている。