粉体は，固体粒子の集合体でありながら，バルクの固体と異なり，液体や気体と同様に流動する点が大きな特徴の一つである。粉体の流動現象は，重力流動，機械的強制流動，振動流動，圧縮流動，流動化流動などに分類され，それぞれの状態に即した流動性の表現法が用いられている。粉体の流動性は，その流れやすさを示すものであり，その表現方法としては，重力流動や振動流動の場合の流出速度や流出限界口径，機械的強制流動の攪拌抵抗，圧縮流動の圧縮度や内部摩擦角，流動化流動の通気抵抗，見掛け粘度や最小流動化速度など様々な因子が用いられるが，安息角や壁面摩擦角なども一般的な指標として多用されている。その他流動性を表わすものとして，粉体層の崩壊条件より得られるフローファクターや，総合的な流動性評価指数としての R.L.Carr の流動性指数などがある。

→　圧縮度， 安息角， 最小流動化速度， 内部摩擦角， フローファクター， 壁面摩擦角， 流動性指数， 閉塞限界寸法