粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粉体分散法

dispersion method

 粉体(粒子凝集体)を分散するには,凝集粒子を構成する一次粒子間に働く付着力よりも大きな外力を凝集粒子に作用させる必要がある。この,分散させるための外力を凝集粒子に作用させる方法。すなわち,分散機構により粉体分散法は分類することができる。
 代表的な分散法の一つが媒体の流動により生じる力を利用する分散法である。この方法を用いた分散装置としてはエジェクターベンチュリーオリフィスなどがある。媒体が気体である場合,加速・減速による粒子への抵抗力の差,およびせん断作用(剪断作用)が主な分散機構である。一方,媒体が液体である場合には,加速・減速,せん断作用のほかに伸長流れの作用も考えられている。
 媒体を介して外力を与える方法として,主に液体中への分散に超音波を利用する分散法が提案されている。また,媒体を介さず凝集粒子に直接外力を与える方法として,粒子を慣性力で障害物へ衝突させる分散法や粉砕用のミルなどを利用して凝集粒子に直接機械的な解砕力を与える分散法が提案されている。慣性力で障害物へ衝突させる分散法は,気体中では液体中に比べ流体抵抗力が小さいため,気中分散法として有効である。

→ 分散機構分散装置(液相)分散装置(気相)

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/25

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