粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

噴霧

atomization, spraying

 液体を微粒化する操作のことを噴霧と呼ぶ。噴霧は乾燥造粒,燃焼,調湿,塗装,ガス吸収など広い用途がある。噴霧では,遠心力,圧力,気流,音波振動などのエネルギーを用いて,液体を液柱,液膜のいずれかに変形し,液体表面を不安定にして分裂させ微粒化が行われる。
 微粒化の操作には,高圧ノズルを使う方法がある。これは,流体を加圧し,渦巻室やスクリューピンを通過させることによって,旋回運動をさせながらオリフィスを通って液膜を形成しつつ噴射する操作である。中心部に空気の芯ができるので,Hollow-cone 型噴霧ノズルと呼ばれ,単純に噴霧孔から加圧流体を噴射する Solid-cone 型噴霧器に比べより微細な液滴を得ることが可能なので広く使用されている。
 噴霧乾燥には,直径 100 ~ 300 ㎜ の高速回転円盤(6000 〜 30000 rpm)あるいは翼車型回転円盤上に液を供給し,遠心力によって微粒化する回転円盤法が用いられる。40 ~ 100 µm 程度の噴霧が可能で,比較的大きさの揃った液滴を得ることができる。二流体噴霧ノズルも,微細な液滴を得る必要のある場合に使用されている。噴霧液滴径は抜山・棚沢の式によって推定できる。

→ 二流体噴霧抜山・棚沢の式

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/25

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