噴霧熱分解法
spray pyrolysis
微粒子製造法の一つであり液相法に分類される。噴霧熱分解法では,分子レベルで十分に混合された原料溶液の噴霧により発生したミクロンオーダーの液滴を,キャリアガスによって反応炉などの高温場に導入し,ガスとの反応または熱分解などにより,直接目的の粒子を生成する。原料溶液には,一般に金属の塩化物,硝酸塩,酢酸塩などの水溶液もしくはアルコール溶液が用いられる。製造される微粒子の粒子径 $D_{\mathrm{p}}$ は,1 個の液滴(液滴径 $d_{\mathrm{p}}$,溶液濃度 $C_{\mathrm{s}}$,密度 $\rho_{\mathrm{s}}$)から 1 個の微粒子(密度 $\rho_{\mathrm{p}}$)が生成されるとき,次式より求められる。 $$ D_{\mathrm{p}} = d_{\mathrm{p}} \left( \frac{\rho_{\mathrm{s}}C_{\mathrm{s}}}{\rho_{\mathrm{p}}} \right)^{1/3} $$ 粒子のサイズを制御するには,発生する液滴の大きさおよび分布が重要となる。噴霧法としては,加圧法,超音波法,振動法,回転ディスク法,静電法などがある。製造される微粒子の形態は一般に球形に近いが,液滴が大きかったり,液滴表面で急激に蒸発が進むと,空洞のあるポーラス粒子,中空状態粒子,破砕粒子を生成する。また,ゆっくりとした加熱や微小液滴の場合は,緻密な球形粒子が得られる。
【広告】