物質により程度の差はあるが，固体表面は水を吸着する力をもっている。また，表面の電気化学的力によって水と弱く結合したり，分子間に水をとり込んで膨潤する固体もある。このように固体と相互作用した水の示す蒸気圧は，自由水の示す飽和蒸気圧よりも低く，含水率の減少とともに連続的に低下する。飽和蒸気圧は湿度の関数なので，ある温度・湿度の熱風で湿り材料を十分乾燥しても，絶乾状態にまでは至らずある含水率で熱風と平衡状態になる。このときの含水率を平衡含水率という。この値は，材料特有の値であり，温度と湿度の関数である。一般の材料では，吸着ポテンシャル RT Ln(p/p_s) または関係湿度 p/p_s に対して，平衡含水率をプロットすると，1 本の曲線になることが知られている。ここで，p は平衡蒸気圧，p_s は飽和蒸気圧である。

→　含水率， 自由含水率， 乾燥特性