平衡粒子径分布関数,平衡粒度分布関数
self-preserving distribution function (SPDF)
凝集および凝縮などによる,微粒子の粒度分布の経時変化を表わすポピュレーションバランス式の性質より,ある粒径の粒子については,過渡的ではあっても生成項と消滅項とが相等しくなる場合が生じる。このような平衡状態が粒度分布の全範囲にわたって同時に達成されれば,特に何らかの条件の変化がない限り,多少のゆらぎをともないながらその状態が保持される,いわゆる平衡粒度分布が存在する。
Friedlander らは,粒度分布関数 $n(\nu ,\ t)$ を,時間 $t$ の関数 $G$ と粒子体積 $v$ のみの関数 $\phi$ との積,$n(\nu ,\ t)=G(t)\phi (\eta)$,$\eta =v/v_{0} $ ($v_{0}$:粒子の平均体積)とし,これをポピュレーションバランス式に代入し,$\phi$ を $\eta$ の関数として求めた。この $\phi (\eta )$ は,平衡粒子分布関数(SPDF)と呼ばれており,凝集初期のエアロゾルの性状変化を評価するには不十分であるが,凝集により最終的に到達する粒度分布,たとえば大気エアロゾルの粒度分布が推定できる。
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