壁面摩擦は貯槽・供給において非常に大きい役割を果たしており，サイロ内圧の算定，排出におけるフローパターンの違いなどにおいて壁面摩擦角は重要なパラメーターである。壁面摩擦角は文字通リ壁面に垂直に加わる粉体圧に対する滑りを生じるせん断強度（剪断強度）の比を表わしたものである。そして，通常の摩擦則と同じようにせん断応力と垂直応力の関係を直線で表わし，その傾きを壁面摩擦角と呼ぶ。特に，サイロ内圧を示す Janssen 式では壁面摩擦角が最も重要なパラメーターであり，その増減により圧力の大きさのみならず分布形にも大きな影響を与える。各種設計規準においては，コンクリートあるいはスチールなどに対する壁面摩擦係数の基準値を与えているが，その値に幅があり，実設計においては安全側の値をとらなければならない場合が多い。実験的に求める場合には，ジェニケの提案した手法がよく用いられている。