BET法,ベット法
BET adsorption method
不活性気体の吸着による粉体の表面積測定,あるいは各種気体の吸着現象による粉体表面の特性評価に必要な気体分子の単分子層吸着量 $V_{\mathrm{m}}$ を BET 吸着等温式を用いて求める方法という。BET 式はラングミュア―式の吸着機構を多分子層の吸着まで拡張した式で,次式で表わされる。
$$
\frac{X}{V(1-X)} = \left[ \frac{1}{V_{\mathrm{m}}C} \right]+\left[ \frac{C-1}{V_{\mathrm{m}}C} \right]\cdot X
$$
ここで,$X$ は吸着質の相対圧,
$$
X = \frac{P}{P_{0}},
$$
$V$ は相対圧 $X$ における吸着量,$C$ は吸着熱に関係する定数である。吸着等温線が BET 式で表わされると,上式より横軸を $X$,縦軸を $X/[V(1-X)]$ としてプロットすると直線となる。
このプロットは BET プロット呼ばれ,直線の勾配と切片の和($=1/V_{\mathrm{m}}$)から単分子層吸着量 $V_{\mathrm{m}}$ が算出される。JIS や ISO で定められている気体吸着による粉体の表面積測定方法としてこの方法が用いられている。不活性ガスを吸着質として用いると,通常相対圧が $0.05 \lt X \lt 0.35$ の範囲で BET プロットは直線となる。
【参考文献】
【広告】