ヘンリー関数
Henry function
液中の帯電粒子は,電場 $E$ を印加すると反対電極に向かって泳動する。この泳動速度 $v$ は球形粒子に対し次式で与えられる。 $$ v = \frac{2\varepsilon \zeta E}{3\mu}f(\kappa a) $$ ここで,$\varepsilon$ は媒体の誘電率,$\zeta$ はゼータ電位,$\mu$ は媒体粘度,$f(\kappa a)$ はヘンリー関数,$(1/\kappa)$ は電気二重層厚さ,$a$ は粒子半径である。$f(\kappa a)$ は,粒子周りの電場の影響を考慮したナビエ・ストークス式を解いて得られる関数で,1 から 1.5 まで変化する単調増加関数である。$\kappa a \lt 1$ の場合,$f(\kappa a)\fallingdotseq 1$ となり,泳動速度はヒュッケルの理論式と一致し、$\kappa a \gt 10^{3}$ のときには、$f(\kappa a)\fallingdotseq 1.5$ となり、泳動速度はスモルコフスキーの理論式に一致する。近似式としては次式が用いられる。
$$
f(\kappa a) = \frac{3}{2}-\frac{9}{2\kappa a}+\frac{75}{2\kappa ^{2} a^{2}}-\frac{330}{(\kappa a)^{3}}
$$
→ 電気泳動,ヒュッケルの理論式,スモルコフスキーの理論式(ゼータ電位),ゼータ電位
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