放射圧,照射圧
radiation pressure
光はエネルギーと同時に,エネルギーと光速 $c$ との比で表わされる大きさの運動量を輸送する。散乱粒子から十分離れた点における散乱光強度 $I$ は,照射光強度 $I_{0}$,粒子からの距離 $r$,波数 $k$,および散乱角 $\theta$,方位角 $\phi$ 方向の散乱強度関数 $F(\theta,\phi)$ を用いて,以下で与えられる。 $$ I = I_{0} \frac{F(\theta,\psi)}{k^{2}r^{2}} $$ 照射光から取り去られる運動量は減衰断面積 $C_{\mathrm{ext}}$ に比例する。一方,散乱によって運ばれる照射方向の全運動量は,$S_{\mathrm{sca}}$ を散乱断面積,$\omega$ を立体角とすると, $$ \overline{\cos \theta}\,C_{\mathrm{sca}} = \left( \frac{1}{k} \right)^{2} \int F(\theta.\psi)\cos \theta \mathrm{d}\omega $$ に比例する。したがって,失われる照射方向の運動量は, $$ C_{\mathrm{pr}} = C_{\mathrm{ext}}-\overline{\cos \theta}\,C_{\mathrm{sca}} $$ に比例する。$C_{\mathrm{pr}}$ は放射圧断面積と呼ばれる。この運動量の変化によって,粒子には, $$ F = I_{0} \frac{C_{\mathrm{pr}}}{c} $$ の力が作用する。
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