ホルメスの粉砕理論
Holmes's law
ホルメスは,粉砕仕事に関するキックの法則を出発点として以下の仮定をもうけて粉砕仕事量 $W$ [kWh t -1] を求める次式を導いた。
- 粒子形状が立方体から他の形状に変わってもひずみエネルギーに関する基本式は変わらない。
- 砕成物の粒子径分布は Gaudin-Schuhmann 型とする。
- (1),(2) の仮定に関連するが,原料の粒子径,形状,荷重方法の変化などの影響に関する仮定。
- 粉砕機のエネルギー効率は,粒子径の関数とし,これは粉砕システムによって変化する。
$$ W = W_{\mathrm{iH}}\left( 1-R^{-r} \right) \left( \frac{100}{P/\mathrm{\mu m}} \right)^{r} $$ ここで,$W_{\mathrm{iH}}$ [kWh t -1] はホルメスの仕事指数,$R$ は 80%通過粒子径を基準にした粉砕比,$P$ [µm] は砕成物の 80%通過粒子径,$r$ はキックの法則からの偏りと呼ばれ,粒子径によって変化する砕料の粉砕抵抗と粉砕機の変化の度合いを示す値で,ホルメスは 11 種類の砕料について, $r=0.25\sim 0.75$ の値を測定している。なお,$r=0$ でキックの法則,$r=1$ でリッティンガーの法則,$r=1/2$ でボンドの粉砕理論に対応する。
→ 粉砕仕事,粉砕仕事法則,ボンドの粉砕理論,リッティンガーの法則,キックの法則,粉砕比
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