ボンドの粉砕理論
Bond's law
ボンドが提案した粉砕仕事法則。ボンドはすべての粉砕は無限に大きい粒子(固体)を粒子径がゼロの無限個数に粉砕する途中過程と定義し,粉砕仕事量 $W$ [kWh t -1] を求める次式を提案した。
$$
W = W_{\mathrm{i}}\left( \frac{10}{\sqrt{P/\mathrm{\mu m}}} - \frac{10}{\sqrt{F/\mathrm{\mu m}}} \right)
$$
ここで,$F$ [µm],$P$ [µm] は粉砕前後の 80%通過粒子径,$W_{\mathrm{i}}$ [kWh t -1] はボンドの粉砕仕事指数と呼ばれ,粉砕抵抗を表わす砕料の物性値である。ボンドの考えはちょうどキックの法則とリッティンガーの法則の中間に位置し,理論的にもこの両方の混合的な現象が起こっている,とするものである。ボンドは自らはこれを粉砕の第三法則と名づけている。実操業においてボンドの法則が広く受け入れられているのは,その理論的根拠よりも,むしろ上式に基づいた仕事指数,$W_{\mathrm{i}}$ を提案し,実際の粉砕機設計に適用できるように整備し,かつそのうえ膨大な的実際データから多くの物質について具体的に仕事指数を示したことにある。$W_{\mathrm{i}}$ の測定法は JIS(JIS M 4002)になっている。
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ボンドの仕事指数(ボンドの粉砕仕事指数),粉砕仕事法則,リッティンガーの法則,キックの法則
【参考文献】
- JIS M 4002:2000 粉砕仕事指数の試験方法
- JIS については日本産業標準調査会(JISC)の「JIS検索」も参照(要ユーザー登録)
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