摩砕
frictional crushing
粒子にせん断(剪断)的な力を加えることによって摩擦的に破砕・粉砕を進めることをいう。粒子の強さは,圧縮応力に加えてせん断応力を付与することによって非常に小さくなることが知られている。したがって,摩砕によって効率よく破砕が行われ,これはジャイレトリークラッシャーやロールクラッシャーの破砕機構に組み入れられているものである。さらに微粉砕域でもこの摩砕作用による効率の向上を利用することが広く用いられている。たとえば,振動ミルや攪拌槽型ミルや遊星型粉砕機といったボールを粉砕媒体とする粉砕機では,ミル内で主にボール同士が激しい摩砕作用をともないながら互いに衝突し合うことから,きわめて微細な領域にまで粉砕を可能にしている。また,これは粉砕操作のみにとどまらず,粉末冶金ではメカニカルアロイングにみられるように,メカノケミカル現象を用いた材料合成を目的とする操作としても検討されている。ただ,衝撃作用と摩砕作用がどのように並行的に作用しているかは未だ不明確となっている。
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