密度流れ
density current
溶液の濃度や種類によって生じる密度差に起因して起こる流れ。相互に混じり合う密度の異なる二液体が接触すると,重力の作用により重い液体が軽い液体中にもぐり込むような現象が生じる。自然現象では,大陸棚斜面に生じる乱泥流や,河口の塩水くさびなどがその例である。固液分離操作では,密度流れに起因して装置性能を低下させるような現象がみられる。たとえば,シックナー中心の給泥口から入った原スラリーは,清澄液より見掛け密度が大きいため,清澄液中を下降しスラッジ界面に沿って円周方向に流れ,槽外壁に当たって上向きに流れの方向を変えることがある。その結果,濃厚な懸濁液がいつ流せき(いつ流堰)から流出し清澄液の濁りを増して,運転に支障をきたす。また,やや高濃度のスラリーを処理するような傾斜板沈降システムにおいても,傾斜板下に生じる清澄液層とスラリー層との密度差により,スラリー層内に循環流れが生じ,沈降速度を低下させるような現象が起きる。
→ シックナー,
傾斜板沈降システム
【広告】