メカニカル活性化
mechanical activation
固体を機械的エネルギーで励起することによって起こる反応性や触媒能の増大の総称。衝撃力などによってエキソエレクトロンの放射が起こるほど高い,きわめて短寿命の活性化から,緩和後に長期にわたって凍結・保存される,不可逆な格子ひずみをともなう活性化まで,その源泉や程度は広範にわたる。狭義のメカニカル活性化は,摩砕などによって粉体の溶解や焼結の速度が増大する現象をさす。メカニカル活性化の程度は,物質の化学的なポテンシャルを表わすギブスの自由エネルギーの増大分,すなわち過剰自由エネルギーによって表わされる。しかし,その測定は容易でないため,エントロピー項を無視して,過剰エンタルピーをメカニカル活性化の尺度に用いることがよく行われる。過剰エンタルピーは,溶解熱の変化などから比較的容易に求めることができる。
→ エキソエレクトロン放射
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