薬物を必要な部位に的確に，必要とする時間有効濃度を維持する方法で送り込む医薬品製剤。構成要素は理想的には，

1. 薬物，
2. 薬物放出モジュール，
3. 容器またはおおい，
4. 治療プログラム，

よりなる。薬物治療モジュールは，

1. 薬物貯蔵庫，
2. 放出制御部，
3. エネルギー源，
4. 放出孔または放出面，

よりなる。実際は，これらすべてを具備していることはなく，薬物作用の最適化のための何らかの工夫を凝らした製剤全般をいうことが多い。大きく放出制御（release control）型と標的到達制御（target control）型に分けられる。放出制御製剤は徐放性製剤や苦みマスクを施した製剤（一種の短時間遅延放出型製剤）など，多くの市販製剤がある。一方，標的到達制御型製剤（標的指向型製剤）の多くは研究・開発段階にあり，天然あるいは合成高分子，リピッド，リポソーム，磁性粉体などのサブミクロン粒子やマイクロスフィヤーが薬物運搬体として研究されている。

→　徐放性製剤， マイクロスフィヤー