ヤンダーの式
Jander's equation
粉体を用いた拡散律速の固相反応速度式のうち,最もよく用いられるものの一つ。直径 $r_{\mathrm{B}}$ の物質B粒子が,連続相の物質A中にあって付加反応を起こす場合などに適用可能である。反応率を $\alpha$,反応速度定数を $k$,時間を $t$ としたとき,
$$
\left\{1-(1-\alpha)^{1/3}\right\}^{2} = \frac{kt}{{r_{\mathrm{B}}}^{2}}
$$
で表される。生成物ABと反応物Bとのモル体積が等しいなどの不自然な仮定のもとに導かれた式ではあるが,実験データによく合うことでも知られている。ただし,他の速度式同様,この式が見掛け上当てはまるからといって,前提とした仮定どおりのことが実際に起こっているという保証はない。反応機構の解明と検証には,式の適用性の有無とは別のモデル実験などが必要である。
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ギンストリング・ブラウンシュタインの式,神力・久保の式
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