溶解速度
dissolution rate, dissolution velocity
液体中に,固体,気体,あるいは他の液体が溶解する速度。溶解速度は,両相の界面における溶解の素過程のうちどれが律速段階かにより決まる。たとえば固体(粒子)では,濡れ(ぬれ),溶媒和(溶解)または反応,溶質の拡散などである。界面での溶解が律速の場合,溶解速度(単位時間当たりの溶解量:$v$)は,次の Noyes-Whitney 式で表わされる。
$$v = kS(C_{\mathrm{s}}-C)$$
ここで,$k$ は溶解速度定数,$S$ は界面の面積,$C_{\mathrm{s}}$ は飽和濃度,$C$ は溶液の濃度である。界面での溶質の拡散が律速の場合(Nernst-Brunner式),
$$k = D/\delta$$
で与えられる。ここで,$D$は拡散係数,$\delta$ は拡散層の厚みである。溶解が界面での反応によって制御される場合には,溶解の活性化エネルギーは拡散律速(5~6 kcal mol-1)の場合よりも高くなる(≧ 15~16 kcal mol-1)。
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溶解度
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