溶解度
solubility
溶質がある温度,圧力において溶媒に飽和溶解した熱力学的平衡状態の溶質濃度。固体粒子の溶解度は,溶媒や固体の物性によって変化する。固体の物性が変化すると,ギブスの自由エネルギー $\varDelta G$ が変化する。
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\varDelta G = RT\ln \left( \frac{C_{2}}{C_{1}} \right)
$$
ここで,$C_{1}$,$C_{2}$ は安定,準安定状態の溶解度,$R$ は気体定数,$T$ は温度である。$\varDelta G$ が正のとき,粒子は準安定状態になり溶解度は増大する。粒子を粉体や摩砕すると,結晶形の乱れや変化を引き起こし粒子は準安定状態になる。また粒子径が減少すると,体積の変化よりも,表面積の変化のほうが大きくなる。そのため,粒子の物性は表面の性質により決まり,粒子径が十分に小さくなると,溶解度は増大する。
$$
\ln \left( \frac{C_{r}}{C_{\infty}} \right) = \frac{2 \gamma V_{\mathrm{m}}}{rRT}
$$
ここで,$C_{r}$,$C_{\infty}$ は半径 $r$ および十分に大きな粒子の溶解度,$\gamma$ は界面張力,$V_{\mathrm{m}}$ は粒子のモル体積である。
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溶解速度
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