ラインバートの式
Reimbert's equation
フランスのラインバート兄弟は,ヤンセンの式と同様の貯槽内の静置された粉体圧の算定式を発表しており,これをラインバートの式と呼ぶ,ACI(American Concrete Institute)規準の粉体圧算定式の一つに用いられている。。
図に示すように堆積した粉体の自由表面が安息角 $\phi_{\mathrm{r}}$ で高さ $h_{\mathrm{s}}$ の傾斜面をもっている場合の静的な貯槽内粉体圧算定式を与えている。
貯槽粉体の自由表面から深さ $y$ での垂直方向単位静圧力値 $P_{\mathrm{v}}$ は,
$$
P_{\mathrm{v}} = \gamma \left[ y\left( \frac{y}{c} + 1 \right)^{-1}+\frac{h_{\mathrm{s}}}{3} \right] \tag{1}
$$
となる。ここで,$\gamma$ は粉体のかさ比重量(嵩比重量), $h_{\mathrm{s}}$ は粉体自由表面部の傾斜部高さ,$c$ は別式で与えられる定数,$\mu$ は壁面との摩擦係数である。
深さ $y$ での水平単位静圧力値 $P_{\mathrm{h}}$ は,次式で与えられる。
$$
P_{\mathrm{h}} = P_{\mathrm{max}} \left[ 1 - \left( \frac{y}{c} + 1 \right)^{-2} \right] \tag{2}
$$
式 (2) で,直径 $D$ の円形貯槽に対しては,
$$
P_{\mathrm{max}} = \frac{\gamma D}{4\mu} \tag{3}
$$
また,
$$
c = \frac{D}{4 \mu \tan^{2}\left( \frac{\pi}{4} - \frac{\phi_{\mathrm{r}}}{2} \right)} - \frac{h_{\mathrm{s}}}{3} \tag{4}
$$
で与えられる。
ヤンセンの式との違いは,ヤンセンの式より求められた圧力分布曲線は指数関数曲線の形をとり,ラインバートの式では双曲線カーブを仮定している。また横圧比 $K=P_{\mathrm{h}}/P_{\mathrm{v}}$ については,深さ方向 $y$ について一定と考えているヤンセンの式と深さ方向に変化すると考えて $y$ の関数となっているラインバートの式との違いがある。計算された水平圧力は,ラインバートの式がサイロ上部ではヤンセンの式より増加しており,深部ではヤンセンの式の水平圧力値と一致する。
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ヤンセンの式
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