ランキンの式
Rankine's fomula
ランキン理論に基づく土圧式を一般にランキンの式と呼ぶ。土中の任意点における応力状態を表わすモールの円が破壊包絡線に交わらないかぎりは,土は弾性釣り合い状態にあり,限界応力は破壊包絡線に接したモールの円で表わされる。ランキンは重力場において半無限土中の各点が塑性釣り合い状態にある場合の応力条件を求めた。
水平な地表面から深さzの位置での,土中の鉛直応力 $p_{\mathrm{v}}$ は,
$$
p_{\mathrm{v}} = \gamma z
$$
ここで,$\gamma$ は土の単位体積重量である。これはこの点における一つの主応力であり,したがってこれに直交する水平応力 $p_{\mathrm{h}}$ もまた主応力となる。この二つの主応力から描かれるモールの円が破壊包絡線に接する場合が塑性釣り合い状態であり,$p_{\mathrm{v}}$ と $p_{\mathrm{h}}$ の比を $K$(土圧係数)で表わすと次の二つの場合に条件を満たすこととなる。
\begin{align}
& K_{\mathrm{A}} = \frac{1-\sin \phi}{1+\sin \phi} \\[7px]
& K_{\mathrm{P}} = \frac{1+\sin \phi}{1-\sin \phi}
\end{align}
ここで,$K_{\mathrm{A}}$ を主働土圧係数,$K_{\mathrm{P}}$ を受働土圧係数といい,$\phi$ は内部摩擦角である。主働土圧は土を支えている壁体が引かれた場合の限界土圧であり,受動土圧は押された場合の限界土圧である。静止土圧はこの両者の間に位置する。
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