乱流拡散
turbulent diffusion
乱流の不規則運動によって物理量(運動量,熱,物質の濃度)が広がって輸送される現象を一般に乱流拡散というが,通常は物質すなわち粒子などが乱流によって広がる現象をさす。乱流の不規則運動の歩幅は乱流渦の大きさによって表わされるが,乱流には大規模渦も存在し,その大きさは拡散による全体の移動距離に比較して必ずしも十分小さいとは限らない。したがってフィックの法則のアナロジーである勾配形輸送式が常に乱流拡散の記述に有効であるとはいえない。
そこで一例として微小渦には勾配形輸送式を考え,大規模渦には対流形を考える方法がある。現在ではナビエ・ストークス式と粒子のラグラジアン形式を連立して数値計算することにより乱流による粒子などの移動量を高い精度で得ることができるので,それに基づきより正確で一般的な輸送モデルが考案されることは可能である。
→ 乱流拡散方程式,
乱流拡散係数
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