粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

乱流境界層

turbulent boundary layer

 一般に,流体のレイノルズ数を大きくすると粘性の影響は小さくなるが,流体と接する物体の表面では流速はゼロであり,粘性作用の無視しえない薄い層(境界層)を考える必要がある。管路に流体が流れ込むような場合,入口から境界層は形成されていくため,入口付近では層流境界層が形成されるが,流れの発達とともに境界層の厚さは増加して乱流境界層へと遷移する。十分に発達した乱流境界層は,壁に近いほうから粘性底層,遷移域,乱流域と分類される。粘性底層では速度勾配は一定と近似されており,乱流域では対数法則によって速度分布が決定される。壁近傍の流れを支配する乱流境界層は,粒子沈着再飛散を考えるうえで重要であるが,さらに詳細な解析を行うためには,壁近傍の流体の乱れ(乱流バースト)の影響についても考慮しなければならない。

→ 乱流バースト

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/25

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