粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粒子径

particle diameter

 粒子の大きさ(粒度;particle size)を一次元の数値,すなわち長さで示したものを粒子径といい,縮めて粒径という。粒子が球形であれば,その直径を粒子径としてさしつかえない。しかし,われわれが通常取り扱っている粒子の形状は複雑かつ不規則である。また,粒子の大きさを測定する原理・方法はいくつもあり,必ずしも粒子径そのものが測られているわけではない。採用した測定原理に応じて,得られる粒子の大きさ(粒度)は面積や体積であったり,沈降速度や光の散乱強度であったりする。このような,不規則な形状の粒子の粒子径の定義や,種々の次元をもつ粒度を長さの次元である粒子径に換算する方法は次のように大別される。

  1. 投影画像から定められたルールに従って粒子径を定義する(三軸径定方向径)。
  2. 一つの粒子についてあるルールに従って得られた二つ以上の粒子径(たとえば,長軸径短軸径)を平均する(幾何学的平均径)。
  3. 測定された量(投影面積とか体積)を適当な幾何学的公式を用いて,円または球形の粒子の直径に換算して粒子径とする(相当径)。
  4. 特定の物理的条件を仮定したとき導かれる物理学的公式を用いて球形粒子の直径に相当させる(有効径)。
 このように,粒子径の定義の仕方は種々あるので,論文や報告書に粒子の大きさ(粒度)を粒子径で記載するときは,その測定方法や換算法を付記する必要がある。

→  粒度三軸径定方向径幾何平均径相当径有効径

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/15

【広告】