粒子配位数
coordination number of particle
配位数とは本来,ある原子を取り巻く最も近接した原子数を意味するが,粉粒体工学では一般に粒子一個の表面に存在する接触点の数を意味する。接触点が関係する粉体特性たとえば熱伝導,電気伝導,粉体応力の伝播などを検討する際に重要である。均一径球形粒子の最密充塡(菱面体配列)の場合,粒子配位数の値は 12 を示し,空間率の増加とともに減少する。液橋などを使って粒子配位数の実測も行われてはいるが,測定に多大な労力と時間が必要なのでコンピュータシミュレーションで求める場合が多い。粒子配位数を測定の容易な空間率から推定するための実験式やモデル式が多数提案されているが,空間率の大きなところでは様々な粒子配列が可能なので,空間率から一意的に配位数は決まらないとの報告もある。粒子径分布がある場合には分布の幅が広くなると粒子径の大きな粒子の配位数は増加し,小さな粒子の配位数は減少するが,平均配位数はあまり変わらない。粒子配位数に対する粒子形状の影響についてはほとんど検討が行われていない。
→ 充塡構造
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