流動化状態
fluidized state, fluidization regime
粒子群は,自重を他の力によって打ち消されているとき流動化状態にあり,流体(静止状態でせん断応力(剪断応力)がなく,また法線応力が常に(正の)圧力であるような連続体)としての性質をもつ。ここで,「他の力」の代表的なものは流体抗力である。
流動化状態は,さらにいくつかの特定の状態(regime)に分類できる。均一流動化(homogeneous fluidization),気泡流動化(bubbling fluidization),乱流流動化(turbulent fluidization),高速流動化(fast fluidization)の四つが分散系に固有の代表的な流動化状態である。付着性粉体の場合には凝集体群として流動化する。これを凝集流動化(agglomerating fluidization)と呼ぶ。塔径が小さいとき,気泡流動化ではスラッギング(slugging)状態が発生しやすい。スラッギング状態では,塔中心部をスラグと呼ばれる大気泡が塔断面を占有してゆっくり上昇する。これらの概要を図に示す。
均一流動化は,粒子と流体の密度差が小さいか,流速が最小流動化速度に近いときに発生しやすい。気泡流動化では,粒子濃厚相が連続相となり,希薄相が気泡相として分散する。乱流流動化では,気泡分率がある限界を超え,粒子濃厚相の連続性が損なわれるようになっているものの,濃厚相の切片がそのまま流体中に懸垂されるには至っていない状態と考えられる。高速流動化では,粒子濃厚相がクラスターとして流体中に懸垂されている。
→ 流動層,気泡流動層,高速流動層,気流層
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