レイノルズ数,Re数
Reynolds number
流体の速度を $u$,密度を $\rho$,粘度を $\mu$,流れの場の代表長さを $\ell$ とすれば,次式で表わされる無次元数をレイノルズ数(Re 数)という。 $$ Re = \frac{u\ell \rho}{\mu} $$ レイノルズ数は,流体の運動に対する粘性の影響を表わす値である。また慣性力 $\rho u^{2}/\ell$ と粘性力 $\mu u/{\ell}^{2}$ との比と考えられる。一方,運動エネルギーの代表量 $\rho u^{3}\ell^{2}$ と粘性によって失われるエネルギーの代表量 $\mu u^{2} \ell$ との比とも考えることができる。幾何学的に相似な形で大きさの異なる物体の周りの流れはレイノルズ数が等しければ力学的に相似である。静止流体中での球の運動は,代表長さを球の直径にとったレイノルズ数が小さい(約 0.6 以下)場合,慣性力が無視できてストークスの抵抗法則に従うが,大きくなると流体は球表面からはく離して背後に渦が生じ後流(wake)を形成するようになる。さらに Re 数が大きく(約 700 以上)なると球はニュートンの抵抗法則に従って速度の 2 乗に比例する抗力を受けるが,Re 数が約 105 以上になると抗力係数が急に減少し約 1/3 になる。この点のレイノルズ数を球の臨界レイノルズ数という。
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