せん断（剪断）を与えることによって構造の生成が助長される現象をレオペクシーという。チキソトロピーと反対の現象であり，五酸化バナジウム，ベントナイト，石こうなどの無機化合物微粒子の懸濁物について，レオペクシーの現象が認められている。これらの固液分散系ではゆるやかにせん断を加えることによって，ブラウン運動によるより速くお互いの粒子が接近し内部構造を生成すると考えられている。レオペクシーを示す流体も一般に，高いせん断速度域においてはせん断による内部構造の破壊，すなわちチキソトロピー性を示す。