レーザー回折・散乱法
low angle laser light scattering method, laser diffraction method, laser diffraction scattering method
古くは(前方)小角散乱法と呼ばれていた粒子径分布測定法であり,海外ではこの名前のほうが知られている。レーザー光,パーソナルコンピュータと,適切に設計された専用の受光素子の開発によって,簡便で再現性がよく,測定範囲が広いため急速に普及した測定法である。
基礎となる理論はフラウンホーファー回析理論であり,粒子径 Dp とレーザー光の波長 λ の比として表現される粒子径パラメーター α(= πDp/λ)が 30 以上の条件で適用でき,粒子密度や粒子屈折率が未知でも粒子径が測定できる。測定上限は透過光と散乱光をどの程度小さな角度まで分離できるかに依存しており,2 ~ 3 mm まで測定できる市販品がある。
α < 30 と粒子径がレーザー光波長に近づくと,散乱光強度分布は粒子や分散媒の屈折率に依存し,ローレンツ・ミーの散乱理論による解析が必要となる。α = 1 程度になると,散乱光強度分布は粒子径に依存しないレイリ―散乱領域となる。このため市販装置では,側方および後方散乱特性や偏光特性などの情報を併用することで,測定下限を 0.1 ~ 0.5 µm まで拡張している。
多重散乱をさけるため,粒子濃度を薄くするとともに,よく分散した試料を調整することが重要である。
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