ろ過,濾過
filtration
スラリー中に懸濁している不溶解物質を,ろ布,ろ紙,金網,膜,粒子層などのろ材により,捕捉粒子とろ液とに分離する操作で,古くから工業の広範な分野で用いられている。広義には,気体中の浮遊固体または液体の微粒子を,同様の方法で気体と分離する操作もろ過であるが,この場合には通常ろ過集塵と呼ぶ。ろ過の対象となるスラリーの固体濃度は,数 ppm の希薄スラリーから, 20 vol% 程度の濃厚スラリーにまで及ぶ。1 vol% 以上の固体を含むスラリーのろ過をケークろ過, 0.1 vol% 以下の場合を清澄ろ過という。ろ過機構からは,ろ材またはケーク表面で機械的に粒子を捕捉する表面ろ過と,ろ材層内部で物理的または化学的に粒子を捕捉する内部ろ過または深層ろ過に分類できる。
ろ過操作は,必要な圧力差を操作中一定に保つ定圧ろ過,ろ過速度を操作中一定に保つ定速ろ過,および渦巻ポンプを使用した場合のようにろ過圧力とろ過速度がともに変化する変速変圧ろ過に分類される。
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