粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ろ材,濾材

filter medium

 スラリー中に懸濁している固体粒子を捕捉する目的で使用する多孔性物質。ろ材には,次のようなものが使用されている。

  • 繊維状物質:各種繊維の織布ろ紙やフェルトおよび不織布,高分子膜,スポンジ,紙パルプまたは繊維状物質のマットなど。
  • 粒状物質:炭末,粘土,けい藻土,砂れき(砂礫)など。
  • 多孔性物質:多孔性陶磁器,岩石,孔あき板,焼結金属,セラミック膜,プラスチックスなど。
 繊維状物質のうち各種の合成繊維は天然繊維に比べ一般にやや高価であるが,化学的,物理的または熱的性質が優れている。また最近では,分離膜が精密ろ過限外ろ過において急速に普及してきた。
 ろ材として具備すべき要件は,(1) ろ過開始後まもなくろ材の細孔上に堆粒子の架橋現象が起こり,希望する清澄度のろ液が得られること,(2) 粒子の目詰まりを起こさず,ろ材抵抗が小さいこと,(3) 十分な強度があり,化学的,微生物的,熱的に安定で寿命が長く,ケークのはく離性に優れていることなどがあげられる。

→  ろ過(濾過)

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/24

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