ロジン・ラムラー分布
Rosin-Rammler distribution
次の式で表わされる粒子径分布の一つの表示法。ドイツのロジンとラムラーが1933年,石炭など種々の粉砕物のふるい上積算質量分布(篩上積算質量分布),$R(x)$,を表わすのに提案した。粉砕などで得られるような,分布の幅がわりに広い粉体では,この式で近似できる場合が多い。
$$
R(x) = \exp (-b x^{n})
$$
頻度分布式が
$$
r(x) = bnx^{n-1}\exp (-b x^{n})
$$
で表わされるので,ロジン·ラムラー分布はワイブル分布にほかならない。
ここで,$b$ と $n$ は定数である。1936年,ベネットは $b = {x_{\mathrm{e}}}^{-n}$ とおき,
$$
R(x) = \exp \left\{ -\left( \frac{x}{x_{\mathrm{e}}} \right)^{n} \right\}
$$
と書いたので,ロジン·ラムラー·ベネット分布ということもある。
$R(x_{\mathrm{e}}) = \exp (-1) = 0.368 $ となるので,$x_{\mathrm{e}}$ は分布の位置(ふるい上積算分布の 36.8 %)を表わす一種の代表径で,粒度特性数と呼ばれる。一方,$n$ は分布の広がりを示す定数で,$n$ が大きいほど分布が狭く,粒子径が揃っていることになるので,均等数という。横軸に $\ln (x)$ ,縦軸に $\ln [\ln \{ ( 1/R(x)) \}]$ をプロットすると直線になるので,勾配から $n$ の値を,$R(x)=0.368$ に対応する $x$ の値から $x_{\mathrm{e}}$ を求めることができる。プロットには $n$,$x_{\mathrm{e}}$ および比表面積 $S_{\mathrm{V}}$ を簡単に求めることができるロジン·ラムラー·スパーリング線図(RRS線図)を用いると便利である。
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