会長挨拶

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本学会は、粉体工学に関する会員相互の連携を図り、粉体工学と粉体工業の発展に貢献することを目的として、1956年に発足致しました。固体微粒子の集合体としての粉体は、粒子の大きさが小さくなるに伴い、通常の固体にはみられない興味深い特性を示すようになります。また、本質的には固体でありながら、膨大な界面を持つことや、適度な力を作用させることで、気体、液体のように挙動します。これらのユニークな特性により、粉体、およびそのハンドリング技術は、様々な分野で使われています。資源、エネルギー、食糧、各種工業材料などから、ライフサイエンス、IT、ナノテクノロジーなどの先端的な分野に至るまで、粉体工学が基盤として支えていると言ってもよいでしょう。また、PM2.5などによる大気汚染防止や豊かな水資源の維持、さらにはナノ粒子の利用やそれに関わるナノリスクへの対応なども、粉体工学の重要な役割です。このような多様な側面を持つ粉体工学を体系化するためには、化学工学、材料工学、環境工学、エネルギー工学、計測、シミュレーション、界面科学、コロイド科学、エアロゾル学など、様々な学術分野の研究が必要になります。そこで、粉体工学会の会員も、多様な学術分野の研究者、技術者から構成されています。

一方、粉体工学は粉体技術とともに発展してきた学問であるため、産業とも密接に関係しています。粉体工学会会員の約1/3は、企業が入会する維持、賛助、事業所会員です。これらの企業会員も多様な産業分野から構成され、その所属部署も、生産現場から研究所に至るまで多岐に亘っています。また、産学連携を通じて粉体工学と粉体技術を発展させるため、粉体技術に関連した企業の集まりである(一社)日本粉体工業技術協会を重要なパートナーとして協同体制を築いています。

本学会では、春と秋の2回、学術講演会を開催しています。さらに、粉体技術に関わるテーマを中心とした産学連携の研究発表の場である「粉体技術討論会」や、萌芽的な研究分野や最新の研究分野を対象として討論する「夏期シンポジウム」など、多様な行事を毎年開催しています。粉体工学会誌は、粉体工学に関する研究成果や解説等を掲載した本学会の定期刊行物であり、毎月発行されています。英文論文誌であるAdvanced Powder Technologyは1990年より発行されており、粉体工学に関する国際的な論文誌として、国内外の優れた研究論文が掲載されています。その他、粉体工学の集大成として学会の編集による「粉体工学ハンドブック」の刊行や、粉体工学の啓蒙活動の一環としてWeb版の「粉体工学用語辞典」の編纂も行っています。

本学会は、粉体工学に関する国際交流も活発に進めています。粉体工学世界会議(WCPT)やアジア粉体工学会議(APT)など、粉体工学全般を対象とした国際会議を始めとして、製剤、材料など粉体に関する研究が活発な分野に対しても、国際会議を積極的に推進しています。

粉体工学会は、非常にアットホームな学会です。粉体にご興味のある方は、ぜひ本学会のホームページをご覧頂き、本学会の企画に参加下さい。皆様の入会をお待ちしています。

一般社団法人粉体工学会

代表理事会長 後藤 邦彰

一般社団法人粉体工学会歴代会長

氏名 所属・職名(就任時) 就任期間
後藤 邦彰 岡山大学教授 2023年3月25日~
谷本 友秀 (株)徳寿工作所 代表取締役会長 2019年3月23日~2023年3月25日
内藤 牧男 大阪大学教授 2018年1月4日~2019年3月23日

粉体工学会歴代会長

氏名 所属・職名(就任時) 就任期間
内藤 牧男 大阪大学教授 2015年2月21日~2018年1月4日
牧野 尚夫 (一財)電力中央研究所
エネルギー技術研究所副所長
2011年2月18日~2015年2月21日
日高 重助 同志社大学教授 2007年2月16日~2011年2月18日
増田 弘昭 京都大学教授 2003年2月22日~2007年2月16日
川島 嘉明 岐阜薬科大学教授 1999年2月23日~2003年2月22日
向阪 保雄 大阪府立大学教授 1995年2月21日~1999年2月23日
外山 茂樹 名古屋大学教授 1993年2月23日~1995年2月21日
神保 元二 名古屋大学教授 1989年2月22日~1993年2月23日
青木 隆一 東京大学教授 1987年2月18日~1989年2月22日
奥田 聰 同志社大学教授 1985年2月20日~1987年2月18日
井伊谷 鋼一 京都大学教授 1978年1月1日~1985年2月20日
大山 義年 東京工業大学教授 1956年~1977年(粉体工学研究会会長)
1956年(中部粉体工学研究会会長)